アジア街道各駅停車 イラン編/NO.2

−−僕はアフガン難民じゃない・・・−−

国境からザヘダンさらにケルマンへ向かうバスでは、5回も軍隊のチェックを受けた。アフガニスタンの国境に近いためチェックは厳重だ。僕たちも何度かリュックの中をチェックされた。
一度などはパスポートにイランのビザが無いために長時間調べられた。日本人はビザは要らないんだと説明しようにも言葉は通じない。しばらくして、しばらくして少し物の分かる上官が出てきてやっと開放された。その間30分程、他の乗客はバスの中でじっと待っていてくれた。
検問の主な目的はアフガニスタンからの不法入国者を捕まえることだ。アフガニスタンにはペルシャ系やトルコ系の他にもモンゴル系の人々も多くて、僕たち日本人にそっくりな人もいる。
そのせいか、バスに乗り込んでくる来た検査官はアフガニスタン人らしい人たちを見つけては外へ連れ出すのだが、僕たちもたいていはその中に入っていた。僕たちは日本人と分かれば戻ることができたが、他の人たちの多くはそのままバスを降ろされ、たぶんアフガニスタンへ送り返されるのだろう。大丈夫だと思っていてもライフルを突き付けられて調べられるのは気持ちのいいものではない。

ケルマンの町に着き ホテルにチェックインした後、飯を食って町をぶらぶら散歩していると一人の若い男が話しかけてきた。英語を全く話さないようで会話にならないのだが、お茶を飲む手振りを何度もいて、どうやらお茶に招待してくれているようだ。
とにかく招待を受けて家へ行ってみた。部屋へ通されるとしばらくしてお茶とビスタチオが山ほど出てきた。お母さんと娘さんも出てきたがいかんせん誰も英語をしゃべらない。女性たちは家の中でも黒いチャドルで全身を覆っている。
しばらくして従姉妹だかなんだか少し英語をしゃべる娘さんが出てきて少し会話が始まった。彼女がペルシャ語と英語の辞書を持ってきて難しい単語を使うのでこちらも英和辞典を出して対抗した。僕たちがこれからシラズへ行くのだと言うと、あの辺りは最近イラク軍の爆撃が多くてすごく危険だから止めた方がいいと写真入りの新聞を持ってきて説得された。
夕食を勧められたがあいにく食事を済ませたばかりなので辞退すると、今度は泊まって行けとしきりに勧められた。
しかし、今会ったばかりで言葉もほとんど通じない見ず知らずの人間をこんなに簡単に家に泊めようとする人たちはいったい何なんだろう?
気さくで親切ということだけだろうか?何か根本的な文化の違いのようなものを感じる。
結局、ホテルにもチェックインしていたので宿泊の申し出も断って、おもやげにビスタチオを山ほどもらってホテルへ帰った。

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