アジア街道各駅停車 インド編/NO.5

−−インドの詐欺師−−

バラナシ川

翌日バスでバラナシに向かった。 バスの中で後ろの座席に座っているネパール人にしきりにネパール語で(たぶん)話しかけられた。どうやら、僕のことをネパール人だと思っているふしがある。いくらネパール語は分からないと言っても話し続けるので、分かったような分からないような生返事を繰り返すことになった。もちろん、何一つわからなかったのだが。

バラナシに着いて、町中の食堂で食べていると「あまさん」たちと再会した。さらに、チベットからのバスでいっしょだった通称「ウミ」やその他の日本人達とも会った。さすがバラナシ、ツーリスト銀座といったところだ。
いろんな本で紹介されているバラナシだがカルカッタに勝るとも劣らないインド的な町だ。ガンジス河の岸に座り、チャイでも飲みながら日がな行き交う船や人を眺めていると、少しは悠久の時間に接したような気分になる。

ある日、ガンジス河のほとりを歩いていると、若いインド人の男が声を掛けてきた。そして、頼みもしていないのに僕たちについて回って死体焼き場を案内してくれたり、葬式の進め方について説明などをしてくれた。親切な人なのかなと思っていると、最後に本題に入ってきた。
「これからパキスタンへ行くならサリーの布地を持っていくと高くうれるよ。」
と言う。
「布地を買う店も、パキスタンで売る店も紹介してやるから。」
あぶない、あぶない。ふと気が付くとサリーの布地を山ほど買わされて、行商人のようにかついで歩いているなどということになったら大変だ。早々に礼を言って引き揚げた。
観光地では観光客を目当てに金儲けをしようとねらっている人間が山ほどいる。別にインドに限ったわけではないのだが、やはりインドのそれは他の国とは違うものがある。ついこちらも警戒的になってしまう。まあ、しかたのないことなのかもしれない。


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