アジア街道各駅停車 インド編/NO.2

−−−ここに秩序はないのか?(カルカッタ)−−−

僕は、数年前初めてカルカッタへ降り立った時のことを思いだした。
日本を出て既に1年近くが経っていた。インドではウィスキーが高く売れると言う言葉にそそのかされて買ったジョニーウォーカーを空港で売りさばいて少しばかりの金を儲け、いっぱしの密輸を働いた気分に浸った後、タクシーで安宿のある町まで、行くことにした。
ビルマからいっしょのイギリス人と割り勘でタクシーに乗ると、何故かもう一人助手席に乗り込んで来た。運転手の「マイフレンド」らしい。
タクシーは灼熱の大地を走り、しばらくして町中に入って来た。そして、一方通行のせまい道に入って行った。こともあろうに、僕たちよりもその「マイフレンド」を先に送るようだ。

せまい道には荷車、人、牛が混然となって、いつか写真で見たインドの道そのものだった。
そして、ある交差点で横から来た車と衝突しそうになってすんでのところで止まった。別に急に飛び出して来た訳でもなく、ただどちらも止まろうとしなかっただけだ。
運転手がこぶしを振り上げて口論しているうちに、後ろから来た車がピタリと付いてしまって、バックすることもできなくなってしまった。今度は後ろの車の運転手と口論している。
その間に、わずかな隙間に荷車が入り込み、やはり進みことも戻ることもできなくなってしまった。さらに、人間、牛がその隙間をうめ尽くす。
そして、運転手、荷車のおやじ、人、牛を巻き込んで、いたる所で口論が始まり、僕の頭は空中分解しそうになった。
何なんだ、これは。ここには、「譲り合い」や「秩序」と言う言葉はないのか・・・
それからどうやってその蟻地獄のような道から抜け出せたのかは今ではよく覚えてないが、これがインドなんだと不思議に感心したものだ。


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